今回は「保険のプロが考える必要な保障額」についてお話をしていきたいと思います。
保険をお客様に勧めている立場の私たちですが、全ての特約を付けているのか?非常に手厚い保険を準備しているのか?疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
保険の営業担当者が日額の最も大きなプランで加入しているか、全ての特約を必ず付帯しているか。と言われるとNOです。手厚すぎる保障は、保険料も比例して大きくなるので生活を圧迫する可能性がありますし、高額療養費制度や健康保険の傷病手当など、国等の制度を利用し、それだけでは不足する分が、自分に必要な分の保障として準備をしています。実際に「自分に必要な分」とはどの程度の保障なのか。今回は保険の営業担当者も営業トークとして使う「自己負担費用」を元に紐解いていきたいと思います。
営業担当者がお客様に入院した際の1日当たりの自己負担額を伝える場合、生命保険文化センターの「直近の入院時の自己負担費用」というデータを元に自己負担額をお伝えする場合があり、このデータによると、1日平均23,300円と言われています。
「1日平均23,300円かかるので手厚い医療保障を準備することをお勧めします」というような営業話法ですね。この平均23,300円はもちろん正しい数字なので、営業担当者は一切嘘をついてはいません。しかしこのデータでもう1つ着目をしたい点があります。それは1日15,000円未満の自己負担費用で収まっている人が全体の53.5%にのぼるという点です。
「平均23,300円なのに53.5%は15,000円未満。」何か違和感がありませんか?
「平均値」というと「真ん中の数字」とイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。例えば学校のテストのように0~100点と平均する対象の下限と上限が決まっている場合は、全体の「真ん中の数字」が算出されます。しかし下限や上限が決まっていない対象の場合、平均値は「真ん中の数字」とは限りませんから注意が必要な場合があります。
日本には健康保険や高額療養費、仕事をされていらっしゃる方は協会けんぽなどの社会保険、傷病手当金や有給休暇など、万が一、入院や手術をされた場合も医療保険以外からも私たちを支えてくれる国や会社の仕組みはありますから、入院したら全額自分でどうにかしなければならない。というように過度に不安に思う必要はないかもしれません。
自分に必要な分の保障を過不足なく準備することが大事です。生活に負担にならない保険料で、必要な保障を準備していきましょう。